「ユーリ、手紙がきてるッスよ」
ソファーに座って仕事の書類に目を通していたユーリは、アッシュから一枚の空色をした封筒を受け取った。
軽くのり付けされていた封を丁寧に開けば、微かに甘くどこか懐かしいような匂いが鼻をくすぐる。
ふと、太陽の匂いに似ている、と思った。
それからきちんと畳まれて入っていた淡いピンクの便箋を取り出して広げると、そこには一枚の白い羽が挟まれていた。
「…ああ、だから陽の匂いがしたのだな…」
すぐに分かった差出人の姿が頭に浮かぶ。
いつも見せる柔らかな笑顔のポエットを思いながら、ユーリは彼女の綴った愛らしい文字を目で追った。
「陽の下の天使」
06/09/14