「美女と野獣」
きっと呪いが解けたってボクは貧相な野良猫のままだよ、と青い男は言いました。
だから私はお前を愛しているのだよ、と美しい吸血鬼は笑いました。
「親指姫」
スーパーモグーのお嫁さんにされそうになった小さな小さな吸血鬼のお姫様は、助けにきた青い燕の背に乗せてもらう…のを待たずに、一人で勇猛果敢に逃げ出したのでした。
「眠り姫」
何百年も眠ったままの美しいお姫様を助けにきた青い王子様は、その唇にキスをしました。
けれどお姫様は起きなかったので、王子様は彼女の随分貧相な胸元に手を伸ばしました。
それから彼女の滑らかな体を弄りドレスを剥いであんなことやこんなこともしました。
それでもお姫様は起きませんでした。
「赤頭巾」
森を歩いていた赤い頭巾の大層可愛い吸血鬼は青い狼に一目惚れされるやあっという間にぺろりと食べられ、それから二人は森の奥でひっそりと幸せに暮らしました。
『どうしようもない童話集』
09/04/04